パレット 〜White Story〜
「陽斗…クラスメイトなのに、知らないの?」

深優が呆れた顔をしている。

『話した事もないんだから知らねぇよ!』

「知らなくても仕方ないよ…彼女、あんまり目立たないし。俺もさ、同じクラスになって初めて知ったんだ。」

正輝は静かにそう言って、コーラを一口飲んだ。

『最近知ったのに、もう惚れたのか?』

陽斗が聞くと、正輝は迷わず答えた。

「照れ臭いんだけど、一目惚れとはちょっと違うんだ。初めて杉野さんを見た時に、なんか…感じたんだよ。俺…この人の事、マジで好きになるって。」

陽斗には、まだ経験のないことで、理解するには難しかった。

< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop