病み姫アリスの華麗なる日常
「 じゃあ、久留米さんの入部を記念して、歓迎パーティーといくでござるか! 」
「 お、いいね。でも、ここ何もないな。」
まわりを見渡す秋人
「 フッフッフッ、あなどるなかれ。ソレガシにおまかせを。」
!?
おもむろにスマホを取り出す時夫。
ピッピッ
「 あ、もしもし、ピザの配達をお願いするでござるよ。」
「 ピザかよ!ってまあ、たしかに腹は減ってるけどさ!
ってか、ここ学校だから!」
「 ……。 」
無言でスマホのメニューからピザを選び出す矢島。
30分後 ピザは届いた。
手際よく会計を済ませる時夫。ピザの宅配には相当慣れてるらしい。
まったく 違和感のない光景だった。
ただひとつ、ここが学校だということを除けば。
「 さあさあ、ソレガシのおごりでござる!
どうぞ遠慮なく!
ソレガシは~、やっぱりベーコンポテトから食べるでござるっ 」
大きなピザが、3枚も。
寄せて広くなった机に並んだ。
時夫は家が裕福なので、割りと気前がいい。
家が裕福であるのは、この学園では珍しくもない。
私立華麗戸(カレイド)学園。
両家の子供が集まる学校だった。
「 じゃあ、遠慮なく!
いっただきまーす! 」
「 ……。 」もぐもぐもぐ
「 時夫くん、ありがとう。わたしもいただきまーす 」
どきっ !
と き お くん !!?
ピザを頬ばった時夫は、思わずむせかえりそうになったが、目を白黒させながらコーラで流し込んで事なきをえた。
今かんがえれば、このときからすでに
皆アリスの罠にかかっていたのだ。
女子とほとんど話したことすらないオタク男子達にそんなこと気付く余地があるわけもないのであった。