僕の彼女がジャニヲタな件

伝えたいこと

ピロンピロン♪



「いらっしゃ…あらっ!なべちゃん!」

「金ちゃん〜♪」

「やだ〜ちょっと痩せたんちゃう?」

「そう?」

金ちゃんは全然変わらんかった。

…アイツはおらんか。

キョロキョロと店内を見渡すと…あれ?

「あ、あれなー」

ヒソヒソと金ちゃんが話した。

…もしかして。

「…小瀧?」

学生服姿の小瀧。

立ち読みしてるし…

「…すっげー遭遇率」

もはや神か私。

「……」

ジャンプを持ってレジまで来た。

「……あ」



ビクッ



私の顔を見て口を開いた。

「……」

「なぁ。君さ、ここの元バイトの子やんな?」

えっ?

何で知ってるん…?

「…シゲがよう話してたで」

「…え…」

「…アイツ、あんたに謝りたいって言うてた」

……

今更やん。

もう、あの思い出を忘れようと思ったのに。

「もぅ…会う気なんてないで?」



カサッ



頼まれたやつを買って、コンビニから出ようとした。

「…会って話した方がええんちゃうか?」

「…もう会う気ないから」

小瀧にそれだけ言うてコンビニを出た。



タッタッ…



「…素直ちゃうなー、二人とも」



タッタッ…



「…何やねん、今更…」

初めて知った。

人を好きになる事が辛いなんて。

「…完全敗北感」

「…もー嫌やー嫌!恋なんてせえへん」

一生とも君一筋になります。

神に誓います。アーメン。

「でも結局行ったんや?」

…ずっと頭に入って来んかった。

とも君が智子になってるぐらいで…

アイツをまともに見れんかった。

「…あ…」

プラネタリウムのチケット…

いつまでやっけ、あれ。



カサッ



「…明後日…」

「勿体無いから行ってきたら?」

千秋楽の次の日…。

そっか…

松竹座終わったら、新橋か…。

東京行っちゃうんや…。

「…一生後悔するんちゃう?」

「…後悔って?」

「これから苦しいだけやん、気持ち正直に伝えな」

……何でなん…?

何で大毅なん?

「…はは…私…」

まだ大毅に何も伝えれてないやん…。

「…行ってくるな、これ」

東京に行ってしまう前に、ちゃんと伝えたかった。

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