3年後の約束。
大切なもの。
卒業旅行から1週間が経った。
今日は遊太が私が結構前に貸した漫画を返しに来るらしい。
わざわざ家まで来てくれるからラッキー。
ピンポーン
遊太が来た。
私「わざわざ家までどーも。」
遊太「おう。よし、寒いから中に入れろ。」
は?
いやいや。
家まで来てくれたのはありがたいけど図々しいなおい。
まあいいか。
幸いにも、平日だから家族みんないなくてよかった。
誰かいるとめったに人を家に入れたりしないから怪しまれるし聞かれるのもめんどう。
とくにパパが。
私「意味分からんけど、いま誰もいないしいいよ。」
遊太「なに?誰もいないから入っていいの?いやらし~。(笑)」
私「違うから!普段人を家に入れたりしないから親とかめんどうなの!」
遊太「ふ~ん?(笑)」
と、くだらないことを言いながら家へ入って行った。
そして私の部屋に入った。
遊太「へ~。意外ときれいにしてんだね。」
私「意外とって。」
遊太「次は何借りようかな~。あ!この漫画新刊!貸して!」
私「あたりまえのようにまた借りるのね。まあいいけど。それもう読んだしいいよ。」
遊太「やった!さんきゅ~。」
と言って私のベッドに飛び込んだ。
私「ちょっと!壊れる!」
遊太「へーきへーき。」
と言って、枕元に置いてあった私のスマホをいじりだした。
別に見られていやなもんないし、まずパスワードわかんないだろうし。
だからほかっといたら…
1時間スマホが使えなくなった。
何回もパスワード間違えると数分使えなくなるじゃん。
あれ。
しかも1時間バージョン。
私「お前ほんとありえん!ばか!!」
遊太「まあいいじゃん?1時間くらい。」
私「よくない!お前のも貸せ!仕返ししてやる!」
そう言って遊太のスマホを奪おうとすると
遊太「やだね~(笑)」
といやみったらしい笑みで取られまいとする。
こいつ…力だけはある。
初めて男だと実感したわ。
そしてなぜか拘束されてる私。
いつの間にか形勢逆転され、まるで遊太が押し倒した…ように見える。
片手で私の両手首をつかんで、そのつかまれた手は私の頭の上にある。
しかもベッドの上だし…
顔近い…
さすがに、はずい。
顔が熱くなるのがわかる。
私「なにプレイだよ!!///」
遊太「え~?なに勝手に妄想しっちゃてんの~?いやらし~(笑)」
こいつわかってるくせに楽しんでやがる。
むかつく!!
遊太「離してほしい?」
私「うん…。」
遊太「俺のスマホとらない?」
私「うん…。」
遊太「よし!」
やっと手を解放してくれた。
顔赤かったかな?
気付かれてないよね。
こんなやつにからかわれるのはごめんだ。
なんでこいつはこう無茶苦茶なのかな。
ほんとこっちが疲れるわ。
すると、突然音楽が流れ始めた。
聴いたことないけど、すごく私が好きなタイプの曲。
私「なにこれ?」
遊太「大切なもの。ロードオブメジャーの。」
私「ああ、歌手は知ってる。いいね、これ。」
遊太「だろ?兄貴が教えてくれて、俺も好きになった。」
ずっと聴いていられるなあ…。
………ん?
あ、いつの間にか寝てた。
よく寝た気がする。
ふと横を見ると…
!!??!
遊太?!顔近っ!!
こんな狭いベッドで!
となりで遊太が気持ちよさそうに寝ている。
ふたりして寝ちゃったんだ!
ちょっと最初は焦ったけど、よく見ると遊太の寝顔可愛い(笑)
いたずらしてやろうかな(笑)
というか綺麗な顔してるなあ。
まあまあモテてたしなあ。
そう思って顔を触ろうとすると…
遊太「…ん。あれ。おはよ。」
私「え?!あ、お、おはよ!」
私は急に起きた遊太にびっくりした。
おはよっていうか、もう夕方だけど。
遊太「あれ~?なにしようとしてたの?(笑)」
私「な、なにも!!///」
知らないふりをして聞いてくる遊太。
しかも、まだ狭いベッドでふたり寝てるからすごく近い。
ドキドキしてしまう。
自分だけそんなドキドキしてるなんて知られたくない。
私「ほら!もう暗くなるし、家族帰ってくるし、遊太帰って!」
遊太「もうこんな時間かあ。面倒だけど帰るか~。」
そう言ってめんどうそうに遊太は起き上がった。
遊太「また返しに来てやるよ。」
私「借りといてえらそうに。はいはい。」
そんな生意気なことを言って遊太は帰って行った。
は~。
なんか疲れたわ。
なんでこんな精神的につかれてんだろ。
ふとさっきまでのことを思い出したら顔が熱くなってきた///
くっそ~~~!!!
なんで!!
こんなこと忘れてやる!