恋がしたい。ただ恋がしたい。
「なぁ崎山。お前2月に、6月くらいには結婚の話が出るかもねって志田と話してただろ?」
2月?結婚?…そんな話してたかな?
年度末と新学年の準備に追われる2月と3月は私達にとって最も多忙な時期だ。
勿論亨だって忙しかったし、なかなか会えなかったから…つい新婚の志田ちゃんに見栄を張っちゃったんじゃないかな。
「6月に結婚するかもって言ってて、何でその6月に菊井は他の女と結婚しようとしてるんだよ?」
ナンデホカノオンナト?ーーー
…そんなのこっちが聞きたいくらいなんですけど!!
「もう別れたし二度と会うこともない。今後一斉亨の話はしないで。」
「おいっ。まだ話は終わってないって…」
「あんまり職場で人の不幸な話広めないでくれる?……それとも、自分がしあわせだと他人の不幸なんて気にもならないの?」
ぐっと睨み付けながら言うと、さすがに純くんも黙ってしまった。
…最低だ、私。
今のは完全に八つ当たりだ。