恋がしたい。ただ恋がしたい。
またまた質問です。
これは友情ですか?同情ですか?それとも…
「おはようございまーす。」
金曜日の朝の通学路は、挨拶の声も何となく間延びしてみんなそわそわと浮き足だっているように感じる。
「崎ちゃん先生おはよー。」
「おはよう。」
正門の前に立って、登校して来る子ども達に朝の挨拶をする。
今日は夏休み前、最後の登校日。
夏休み間近だからか、毎日快晴続きで挨拶をする教師のほうも、あまりの暑さに思わずだれそうになってしまう。
そんな中で、いつもは緩んだ空気を引き締めるように元気に挨拶をするこの人が…
いや、この人『たち』が心ここにあらず、と言った様子なのが気になって仕方がない。
そしてさっきから二人とも何も言っては来ないけど、ちらり、ちらりと何か言いたげに私のほうを見ているのだ。
なによ!言いたいことがあるなら言ってよ!!
叫び出したい気持ちをぐっと堪えながら、なるべく穏やかな口調で聞いてみる。
「志田先生。大村先生。…何かお話でも?」
「…イエ。ナニモ。」
「…イエ。トクニ。」
ぎこちない笑顔で応えた二人の返事は、ほぼシンクロしていた。
一体何なの…?
明らかに普段とおかしい様子の二人でも、もう授業も始まってしまうこの時間では、強引に捕まえて問い詰める訳にもいかない。
そそくさと校舎へと戻る二人を追いかけるように、私も校舎へと向かって行った。