恋がしたい。ただ恋がしたい。
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「香織ちゃん、おはよう。」
「…っ、おはよう裕介くん。」
何気ない朝の挨拶を交わしているはずなのに、ギクリとして身体が強張ってしまう。
『『Milkyway』に15時。来るまで待ってる。』
昨日届いた亨からのLINEは、このたったの一行だけだった。
来るまで待ってるとは書いてあったけど…
もう別れたのだから二人で何かしら話し合いたいという訳でも無いだろうし、他の事は何も書かれていない。
だからこそ気になって、早起きどころか、ろくに眠ることが出来なかった。
もし指定された時間が午前中だったら、『仕事がたまってるから行けない。』なんて返信してさらっと断ったり、無視をする事だって簡単にできたはずだ。
土曜日の15時と指定してきたのは、私の行動パターンをよく知っているから。
日曜日は他に予定を入れてるかもしれないし、今日学校へ行ったとしても、夏休みだからそんなに仕事も無いだろうし、ちょうど用を済ませて帰るくらいの時間なら待ち合わせに応じるはず。
同業者だからと言うべきか、さすが元カレと言うべきか…
結局、私が無視なんて出来ないって事も分かっていてこんなLINEを送ったのだと思うと、それもまた腹立たしかった。