小さな恋のメロディ
それから少しの月日が流れた。


「ただいま。又、寝てるのか…」


ため息交じりの、哲平の声で目が覚めた。


「…哲平?」

「お前最近さぁ…。まぁ、いいや」


哲平が怒るのも無理はない。
干しっぱなしの洗濯物、散らかった部屋、食器はいつも哲平がご飯を作る前に洗っている…。


「ごめん。ちゃんとやるから…」

「まぁ、いいよ。って寝てるし」


私は近頃、眠くて眠くて仕方なかった。
家事が出来なくて、バイトはたまに休みを貰い、やろうとするけど眠ってしまう…。


身体もダルイ。

どこか悪いのかもしれない。

一回病院に行ってみよう…。


哲平はご飯もお風呂も済ませ、布団の中に潜った。
私は哲平の方を向き、抱きつく。


「起きてたの?」

「…うん。でもすごく眠い…」

「…お前、最近何か隠してない?」

「…何を?」


私は速まる鼓動を必死に落ち着かせ、何もない振りをする。

その時玄関のチャイムが鳴った。
何度も何度も鳴り続け、哲平が言った。


「ちょっと待ってて。ちゃんと話したいから…」


哲平は私にそう言ってドアを開けると、そこには泣きじゃくる里沙が立っていた。


「どうした?入れよ」


里沙は部屋に入り、少し落ち着くと話し始めた。

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