小さな恋のメロディ
あれから里沙とは音信不通になり、哲平と里沙がどうなっているか分からないまま、一ケ月が経った。
久し振りにマリナから電話が鳴る。
「はい」
「もしもしアヤさん?明後日、日曜日だけどあいてる?」
「うん。家にいるよ」
「遅くなったけど、お祝いしたいから行ってもいいかな?」
「彼氏もいるけどいい?」
「うん!」
「じゃあ、明後日ね!」
電話を切ると、私は掃除を始めた。
掃除や料理は、少しは上手になったと思う…。
「ただいま…」
「お帰り。あのね、明日…」
何となくだけど、哲平はいつもと違う気がした。
「哲平?」
「……。ん?」
「明日マリナって友達が夕方に来るから。お祝いしてくれるんだって!」
「そうか、良かったな」
「…何かあった?」
「何も無いよ。お前はお腹の子供の事を考えてくれてたらいいから」
哲平は優しく微笑む。
でも哲平はやっぱり無口で、ご飯とお風呂を済ませると布団に入り、眠れないみたいで何度も寝返りをうつ。
里沙と何かあった?
私は何も考えないようにして眠った。