小さな恋のメロディ

「綾香、ご飯よ」


「……いらない」


「体調悪いの?」


「大丈夫だから!ほっといてよ!」


「……」



私は何度も何度もこの曲を聴いた。


もしいつか……。

ううん、

きっと近い未来に哲平と終わりが来て、

別々の道を歩くことになって、

哲平を忘れるくらい年を取っても、

この曲を聴くと、

哲平のことを思い出すだろう……。



私に残された時間は、



止まることがなくて……。



時計の針は、



一秒一秒を正確に刻んでいく。



私は泣きながら眠っていた。


< 24 / 141 >

この作品をシェア

pagetop