小さな恋のメロディ
私は気にしない。
友達も別にいらない。
だって、空っぽだから。
下らない話しをして、大騒ぎして、なにが楽しいのか解らない。
あんな風につるむくらいなら、ひとりでいる方がまだマシ。
放課後になると、教室まで田上が迎えにきた。
「綾香さん、帰ろ」
「うん」
ローカを田上と歩いてるだけなのに、学校中の生徒がバカみたいに注目する。
なにが楽しいの?
田上は軽い男っぽい。
さっきから、つまんない話しをひたすら喋り続けてる。
今回も又、長続きしそうにない……。
「じゃあ、又明日」
「バイバイ」
田上に送ってもらい、家に着くと、専業主婦のママがいた。
「ただいま」
「お帰り。今の子はお友達?」
「彼氏」
「この前の子はもう別れたの?」
「飽きたから」
「そう……。でもね、いろんな男の子と歩いてると、ご近所の目もあるし、お父さんの立場もあるんだから……」
「別にいいでしょ?私がいろんな人と付き合ったからって、パパが次の選挙で落ちるの?」
「……」
「大丈夫よ。ちゃんとパパに言われた人と結婚するし、勉強もするから」