小さな恋のメロディ

翌日、哲平とは気まずいままで……。


かなりブルーだ。


休憩中は机に伏せて眠った振りをする……。


お昼の休憩中に、そんな私に陽子が言った。



「進藤さん、ちょっといい?」


「いいけど……なに?」


「ここじゃ、ちょっと……。情報処理室に行かない?」



私は何も言わずうなずいて、陽子の後を着いていく。


その様子を哲平も見ていた。


情報処理室に誰もいないことを確認すると、陽子と私は入っていく。


ふたりの間に沈黙が続き、私はイラついて陽子に聞いた。



「なに?」


「私、この前見たんだよね」


「だからなにを?遠回しに言わないで、はっきり言えば?」


「言っていいの?」


「早く言いなさいよ!」



私のその言葉を聞くと、陽子は教室のドアの方をチラッと見て笑った。


それに気付いた私もドアの方を見る。


曇りガラス越しに見える、見覚えのあるシルエット……。
あの背の高さも、髪型も……。


……哲平?



「進藤さん、この前男の人と一緒だったでしょ?お金持ちそうな人だね」


「それは……」


「哲平と二股かけてんの?」



哲平に、



聞かれた……?

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