小さな恋のメロディ
「違うよ。…話があるの」

「…今度にしなさい。今、東城さんが来られてるのよ?」

「分かってる。鳴海さんも一緒に聞いて欲しいの」

「…入りなさい」



そう言ってママは、私と哲平を鳴海のいる部屋に連れて行った。

部屋には私と哲平、ママと鳴海が居る。


「大野哲平です。今日は綾香さんとのお付き合いを認めて貰おうと思って来ました」


第一声を発したのは哲平だった。


「あのね、大野くん…。東城さんと綾香は婚約しているの」

「…分かってます」

「でもね…。それでも付き合うって事がどういう意味だか解る?」

「はい。綾香さんとは結婚を前提に、付き合っていきたいと思っています」

「君はまだ高校生だろ?」


イラついている鳴海がキツク言った。


「でも、高校を卒業したら父の仕事を手伝って、綾香さんを苦労させないよう…」

「大学も行かないで?綾香ちゃんは、その辺の子とは違うんだよ」


そう言って鳴海が笑う。


「でも…私は哲平が好きだから!!」


私は鳴海を思いきり睨んで言った。

私の一言で、部屋が静かになる。


「…二人の気持ちは分かったわ。でもね、お父さんも居ないし、今度又話し合いましょ?」

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