小さな恋のメロディ
そんな毎日を送り、学年末試験も終わり、私と里沙と紺野くん、そして哲平もなんとか成績が足りたらしく、後は大学受験と卒業を待つだけになった。

今日は1月最後の登校日。
明日から三年生の私達は休みに入り、3月1日の卒業式を待つ。

学校の帰り道、哲平が言った。


「お前、絶対T大合格しろよ」

「うん」

「俺、お前の受験が終わるまで、電話しねぇから」

「…何で?」

「勉強に集中出来ないだろ?だから電話も会うのも中止」

「……」

「そんな顔するな。その後いっぱい会おうな!」

「うん!」

「試験が終わったら、すぐ電話して来いよ?」

「うん」


哲平と別れ、私は家に帰ると起きている時間は全部、勉強に使った。


試験の日の朝、哲平から電話が鳴る。


「絶対大丈夫だから、頑張れよ!」


哲平の声を聞くと、緊張が安心に変わり、試験は無事終わった。

私はすぐに哲平に電話をする。


「哲平、終わったよ」

「……」

「哲平?」

「ん…。今からちょっと、うちに来れる?」

「うん。何かあった?」

「…。とりあえず、すぐ来て」


私は急いで哲平の家に向かう。


「上がって」


そう言う哲平は、少し気まずそうだ。


「お邪魔します」

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