小さな恋のメロディ
ー卒業式当日


「パパ、卒業式が終わったら、今日はずっと家に居るんでしょ?」

「あぁ」

「今日、友達と遊んだ後、哲平連れて来るから…」

「いいけど、卒業式が終わったら一回家に帰るんだぞ?制服で遊んでいたら近所に…」

「は~い、行ってきま~す」


私は勢いよく家を出る。

今日が終われば、哲平といっぱい一緒に居られるんだ。

パパの許しをもらった物の、私は受験勉強、哲平は哲平の家の手伝いで、哲平と余り一緒に過ごせなかったから…。


学校に着き教室に入ると、クラスの子達がサイン帳を書きあっていた。


「おはよ。綾香、これ書いて!」


そう言って駆け寄って来たのは里沙だった。


「うん!」


私が書いていると


「私もいいかな?」


クラスの少し仲良かった子や、私の噂話しばかりしていた子達も集まって来た。


「うん」


一人ずつ書いて行って、最後に持って来た山本さんのを書き終えると、山本さんが言った。


「今までごめん。私、嫉妬していたんだと思う…」

「ううん。私こそ…ごめん」


泣きそうになった。
もっと、ちゃんと話してたら良かった。
向き合わないと、相手の良い所なんて分からないよね……。


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