小さな恋のメロディ
田中の説明によると、キャバクラは水割りを作って、男の客と話せばいいだけで、ミュウというお店の営業時間は、21時から2時。
帰りは送迎の車で送って貰えるという事だった。


「失礼します」


ウエイトレスがコーヒーとミックスジュースを置き、居なくなるとコーヒーとミックスジュースを置き居なくなると、コーヒーを飲みながら田中は続けた。


「お名前は?」

「進藤です…」

「進藤さんなら、時給4000円出しますよ」

「4000円?」

「はい。働く気になったら電話を下さい。では、私は仕事があるので…」


そう言って田中は飲み物代を払い、喫茶店を出て行った。
私も少しすると、店を後にする。



「ただいま~」

「お帰り。飯作ったから」

「ありがとう」


二人で哲平の作ったご飯を食べる。
ご飯を食べ終わってから哲平が出勤するまでの時間は、唯一の二人の時間だった。


「髪、伸びたな…」

「哲平も伸びたね」


笑顔の私を哲平が寂しそうに見る。


「…何?」

「ごめんな、美容院にも行かせてやれなくて…」

「大丈夫だよ」


哲平は優しくキスをした。
そして私達は、毎日のように愛を確かめ合う…。


離れないように強く


壊れないように優しく……。

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