小さな恋のメロディ
そして翌朝


「おはよ!」

「…おはよ?」

「帰るぞ」


寝ぼけている私を、哲平は帰り支度させた。


「じゃあ、行くから」

「あぁ。気を付けるんだぞ」

「ご飯だけはちゃんと食べるのよ…」


心配そうに見送る哲平の両親を見ていると、何故だか泣きそうになった…。


初めてこの町を出た時のように。


哲平はいつになく、無口で……。


「いいの?」

「何が?」

「兵庫に戻っていいの?」

「バーカ。俺はお前と一緒に居たいんだよ」


哲平は私を見ないで言った。

たったそれだけなのに、不安になるのは何故…?





































< 93 / 141 >

この作品をシェア

pagetop