小さな恋のメロディ
私が出来る事…。


私が出した答えは、たった一つ。


携帯と一枚の名刺を握りしめて、電話を掛けた。


「もしもし」

「進藤です。田中さんですか?」

「…進藤さん?あー、決心してくれましたか?」

「…はい」

「いつから働けますか?」

「…明日から大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。じゃあ、先日お話した喫茶店の前に、20時半に待ち合わせでいいかな?」

「はい」

「後、身分証を一緒にお願いします」

「はい」


これで哲平も楽になる?

そしたら哲平、喜んでくれるよね?



朝になると、哲平はいつものようにクタクタになって帰って来た。
そしてご飯を作り、お風呂に入る。


「今日は出掛けないの?」

「たまには哲平と寝てたいから…」

「そうか」


哲平は嬉しそうな顔をして、そのまま眠ってしまった。

哲平にはキャバクラで働くことは言わない。
心配を掛けたくないから。

夜、殆ど眠れなかった私は、そのまま一緒に眠ってしまった…。


「…哲平?」


起きると哲平はご飯を作って食べていた。


「お前も食べな。俺、もう行くから」

「うん…」


哲平が出掛けた後、私も急いで用意して出掛けた。


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