小さな恋のメロディ
田中さんとの待ち合わせ場所に着くと、田中さんはもう待っていた。


「良かった。ちゃんと来てくれて。じゃあ、お店に行こうか?」

「はい」


10分程歩くと”クラブミュウ”と書かれた看板が見えた。


「ここだよ」


田中さんはお店のドアを開けて入って行き、私はただ着いて行く。

中は結構広くて、お洒落」なソファーやテーブルが沢山並ぶ。


「じゃあ、先に用意しようか?佐藤さん、ちょっとこの子お願い!」


更衣室の女の人に声を掛けると田中さんは居なくなって、佐藤さんという奇麗な女の人が出て来た。


「名前は?」

「…進藤です」

「この世界は初めて?」

「…はい」

「じゃあ、名前を決めなきゃね!こっち来て」


更衣室に入ると、ドレスを着た華やかで奇麗な女の子が沢山いて、携帯を触りながら仲良さそうに話していた。


初めて見る夜の世界…。


私…ここで働くんだ…。


「後でみんなに紹介するから、お化粧からしましょ?」


佐藤さんは、慣れた手付きで私の顔を作っていき、髪も奇麗にアップにする。


ドレスを着た私は、自分じゃないみたいで、少し恥ずかしかった。

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