言えない恋心
ヒースは昨夜の女性がわたしだと知っていて、それでも知っていることを隠したの?
わたしの気持ちを彼は知っていたのね。
彼は身分が違うわたしの恋を嘲っていたというの?
酷いわ。わたしは必死に隠していたのに!!
「おっ、面白がっていたの? 身分不相応の恋を召使いがしていることが愚かだと思った? 嘲笑っていたのね!! 酷いわ! わたしは必死だったのに!!」
ああ、この恋はこれで終わり。
もう、このお屋敷には住めない。
追い出されるのね。
とても惨めだ。
こんな結末なんて予想さえもしていなかった。
今すぐ消えてしまいたい。
目から涙が込み上げ、頬を伝う。
「ロズ……?」
手を差し伸べられたけれど、すぐに振り払った。これ以上、惨めになるのはたくさんだ。
わたしは彼を睨(にら)む。
だけど、彼はわたしが想像していないことを告げた。