言えない恋心
だから嘲られるのは仕方がないのよ。
そうは言っても、それでもやっぱり継母たちはどうしてわたしにばかり辛く当たるのかと思ってしまう時もある。
その度に、わたしは自分に言い聞かせ、首を振る。
悲しい気持ちを追い出すと、気分をあらためて腰を上げた。
次の仕事は庭の草むしりだったわね。
ここの庭は牧草地のようだ。とても広く、綺麗。
深緑の芝生に覆われている地面は朝露に濡れ、陽の光に照らされると、まるでダイヤモンドのようにきらきらと輝く。
――風に撫でられて揺れる葉の音。
――小鳥たちのさえずり。
わたしは一日のうちにほんの少しだけ与えられる昼休憩の時、芝生の絨毯(じゅうたん)に寝転んで大好きなロマンス小説を読むのが何よりもとても楽しみなの。