君に熱視線゚

苗は思わず立ち上がり、身を乗り出す。

「えっ、マジっすか?ほんとに?なんで!?」

「…要するに、今回の合併は閉校対策であって‥生徒達にはなんの罪もないと‥
で、結城に来たくて来るわけじゃないから‥二ノ宮高校を丸ごと買収した形になるだけだよ…

今、新校舎建ててるからそれが出来次第合併。そしたら君らはクラス編成なしでそのまま学校を移るだけ。

買収つっても営利目的じゃないから。理事長が二ノ宮の卒業生なんだと。んで‥世話になったから恩返ししたいってことでこの話しは決まったわけ…だから、場所移動するだけで他はほとんど今までと変わらない…」

「なるほど……」

納得すると、立ち上がっていた苗は静かに椅子に腰掛けた。晴樹は更に続ける。

「二ノ宮の名前は消えるけど。まあ、それは仕方ない。制服や身の回りの物はウチの制服着たきゃ買えばいいし別にそのままでも‥‥
校章バッチは買ってもらうけどね。て、ことで以上!で、他に聞きたい事は?」


「ナッシング!!」

苗は晴樹の答えに満足そうに返していた。


「な~んだ!めちゃめちゃいい話しじゃんっ!取り越し苦労して損しちゃったよ」

「そう?理解を得られてよかったよ」

苗は満足な笑みで食べ掛けのパスタを再び頬張った。
< 25 / 126 >

この作品をシェア

pagetop