君に熱視線゚

苗の言葉に続き、中島が顔を赤らめながら言いきった。そして、理事長の後に生徒会長が二ノ宮の生徒に歓迎の言葉を送る。

一通りの挨拶が終わり解散と同時に苗達も自分達のクラスに戻ってきていた。

「ねぇ‥なえちん。
結城先輩らしき人いた?」
席に着くなり由美は苗に聞いてくる。

「あれだけ人数がいたらわからないよ……それに、兄さんはたぶん二年だったと思うから校舎だって離れてるし……」

「えーっ!?じゃあさっ、お昼に見に行ってみようよぉ」

「わかった、わかった」

由美は苗にしがみついておねだりしていた。

今日から共学になったせいか、元、二ノ宮の生徒達の間でも語られる話題は男のことばかりだ。

「ねぇ、さっきの人めちゃめちゃ格好よかったよね?」

「でも、中島さんが知り合いみたいだったじゃん。親しそうに話かけてたし」

「二年だったよね、たしか……中島さんこっちの二年に従兄が居たじゃん。たぶん、その繋がりなんじゃない?」

「あでもさぁ、なんかお嬢軍団に囲まれてて近づきにくそ 名前なんて言うんだろうね」


女子のそんなざわめきの声を耳にして中島は焦っていた。

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