君に熱視線゚

店内を一通り見回すと、テーブルのメニューを手に取り何やら苗はプルプルと震え出す。

青筋の立ち始めた苗に晴樹は声をかけた。

「どうした苗?
コーヒーは食後でもいいだろ?」


当然、晴樹は最初から食後のコーヒーもご馳走するつもりでいた為に、苗にそう言い聞かせると……


「こんな高いコーヒーはいらない!水で十分!!」


‥晴樹は何故か怒られた


「大丈夫だよ…
コーヒーチケットがあるから、全部半額以下で飲めるし‥好きなもの頼みな」


「えっそうなの!?」

そういうと、苗は一番高いエスプレッソを頼んでいた……。

そして、運ばれてきた料理を一口食し、苗はグッ!と親指を立てて無言で晴樹にサインを送ってくる。

仕方がないので同じサインを晴樹も送ってやった──

食事が済むと、すかさず食後のコーヒーが運ばれてくる。

ここは学食といってもちゃんとウェイターがいて、普通のレストランと変わらない。

結城が経営している飲食業に配属される前に、接客係りの者は皆研修がてら、この学食で学ぶことになっていた。

したがって、客が学園の生徒でも丁寧な応対ができなければならなかった……


そして、目の前に出されたエスプレッソのカップに苗はまた、驚愕していた。

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