君に熱視線゚

帰りのホームルームも終り、苗は晴樹と約束した待ち合わせ場所に居た。


(…いゃ~兄さんって
“あしながおじさん”
みたい!
おじさんじゃ悪いから
“あしなが兄さん”て命名しとこっ)


苗はウキウキしながら晴樹を待っていた。

そう。今日のお昼に晴樹と苗がした内緒話しは…

『悪い!制服探せなかったから代わりに作ってやるよ!!
お古よりは新品の方がいいだろ?どうせ3年間着るんだし…
今日、放課後に時間があったら寸法はかりに行くけどどうする?』


晴樹の言葉を思い出し、苗はホクホクとした笑みを浮かべる。

(…いやぁ~さすがは義理堅い理事長のお孫さんだ!!血を受け継いでるねぇ~)

苗はついでに祖父の理事長にも感謝していた。


「…苗、遅くなって悪いな。ちょっと巻くのに手間取って…」


晴樹は待ち合わせ場所に来るなり詫びると、苗の腕を掴み後ろを気にしながら足早に歩き出した。


「巻くって何を巻いたの?」


「え、ああ…あのうるさい集団。直哉に手伝ってもらって巻いたけど日増しにしつこくなってくるんだよな」


「なんで、そんなにしつこいの?
何か目的でもあるのかね?……もしや兄さんの肉体とか…ぐふっ」

苗はニヤリと微笑んだ…

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