君に熱視線゚

「……ハレンチは関係ないだろ…」

晴樹の運転する姿に驚愕する苗に、晴樹はボードに挟んでいた免許証を取り出して苗に見せた。

結城 晴樹
〇年〇月〇日生‥‥



「……満19歳…」

「そーいうことっ!納得できた?」


「···あ~なんだ!
そっかぁ…
お坊っちゃんのわりになかなかやるじゃん。
二年も留年するなんて!」

「留年じゃない!留学だって。アメリカの大学に留学してたんだよ。経営学の勉強に‥‥」

ムキになる晴樹に苗は聞き返す

「‥‥‥大学!?」

「ああ‥向こうはスキップてのがあるだろ?
二年に上がる前に向こうに行って、で今年帰って来たばっかりだから‥‥」


「‥‥せっかくスキップしたならまた、高校生にならなくても‥‥」

苗は疑問をぶつける。


「それは‥色々と事情が──」


「ふ ~ ん‥‥事情か……お金持ちも大変だ‥‥」

無理に納得したふりをする苗を乗せて、車は停車した。

「着いた。このビルの7Fがうちの制服のデザインをしてくれた人の事務所。
ちょっと降りて待ってて。車、止めてくるから」


苗はビルの前で待ち、晴樹と合流する。そして7Fの事務所に向かった‥‥


― コンコン!
晴樹はドアをノックした。

「晴樹です」


「どうぞ入って!!」

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