君に熱視線゚

(Aカップのブラを頭に巻いてプロレスする三つ子…

そして、焼きそばを肴代わりで一升瓶の芋焼酎を片手に晩酌しはじめる満作父さん‥‥

確か一升瓶には1日の呑む量が決められていて一目で解るようにマジックで印がつけられてたな…


『父ちゃん!!
その印より焼酎減ったら明日の弁当一品減らすよ!!』


『冷てぇなあ、お前…
客人が来たときくらい豪勢にやらせてくれよ···』


満作父さんはごねたけど苗にあっさり却下されてたな……。

仕方なしに焼酎を薄めまくって量を増やしてたっけ?

『ちっ! 味も芋の香りもしやしねぇ…』


苗をチラッと見ながら最後の一滴を飲み干してたな……)

晴樹はフフッと笑みを浮かべた。

そして、思い出したように晴樹はブレザーのポケットを探る‥‥


ポケットから取り出されたそれは、シワくちゃの婆ちゃんが晴樹にそっと差し出したミカンだった。


「食後のデザートだな」

晴樹は独り言をいうとソファから起き上がりミカンを剥いた‥‥
酸味のある甘い香りがリビングに広がり始める。


「おや、ミカンですか?」

「ああ、貰ったんだ……」

「晴樹さんがミカンを食べるなんて珍しい‥‥
今まで果物は勧めても食べなかったじゃないですか?」


「ああ、‥‥‥このミカンは特別だから‥‥‥」


村井に言われ、晴樹はそう答えると一粒口に放り込む。


「特別に美味しいんですか?」


「っ!…特別に酸っぱいっ…!!」


「……っ…」


ミカンを口にした晴樹の表情につい釣られ、村井の顔も刺激を受けたような表情を見せていた…


< 78 / 126 >

この作品をシェア

pagetop