君に熱視線゚


―――!?っ
‥っ…なんだそれっ!?


額に青筋を立てる晴樹をよそに、夏目は赤くなりながら苗に向けて口をぁ~んと開けた…



「‥ぁ~ん♪…」



パクっ!













「──っ!?···(なにっ!)」

夏目は目を見開く!!



「サンキュ♪やっぱり旨いな!苗の料理は!!」




身を乗り出して玉子焼きを頬張ったのは晴樹の口だった


「に、…っ…兄さん?」

知らなかった‥そんなに玉子焼き好きなんだ‥

苗はしてやったりの笑顔を浮かべる晴樹を唖然と見つめる。
晴樹の行動が誤解を招いた瞬間だった‥‥‥


「俺っ!知らなかったな!!案外、結城先輩って大人げないんですね!!」


横から割り込まれ奪われた玉子焼きの恨みも兼ねて夏目は皮肉った。


「……っ…」


確かに、今の行動は自分でも大人げないと思う‥‥

でも仕方ない‥‥
ムカつくものはムカつく‥‥
なんでムカつくのかわからないが、晴樹はなんだか苛々してしょうがなかった


「‥じゃ…制服ここに置いておくから忘れずに持ってかえれよ!
あと、拓海さんの事務所のTel番書いてあるからお礼の電話して‥」


晴樹はそれだけいい残し自分の大人げない行動にいたたまれながら、ムカつく思いを堪え屋上を後にした‥‥‥




自分の教室に向かいながら晴樹はいろいろ考える。



‥あいつら毎日、一緒に練習してるのか?



体育館で楽しそうに夏目と話していた苗を思い出した‥



‥くそ!なんかムカつく!!


晴樹はキリキリと痛む胸を抑えた‥‥

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