好きも嫌いも冷静に

・イイのか？イイから

｢いらっしゃいませ｣

｢よう！｣

｢‥よう｣

｢何だか久し振りな感じだな｣

｢…そうだな。前みたいに、ほぼ毎日って訳にはいかなくなったからなぁ。朝ご飯、ちゃんと作ってくれるから。…来れる時は…、まあ…｣

｢……澪さんの方がそんなにいいのね…。もう俺なんか…、どうでもいいのね？ちょっと前迄は、…あんなに通い詰めてくれてたのに…、朝も、…夜も｣

｢止めろ…。勘弁してくれ、もう…。ったく、…関係あるみたいに言うな…。ドッチもイケると思われるだろうが…。
…朝から…、頼むよ‥｣

俺は声を潜めた。…相変わらずだ。

｢あら、こうして会える時は貴重なのよ～｣

｢もう…。本当、勘弁してくれ。いいから、モーニング、頼むよ｣

｢…へい、へい。た、だ、い、ま｣

｢伊織さんが見えられない時はマスター寂しいんですよ？朝決まった時間過ぎちゃうと、軽く溜め息、ついてますから｣

｢英雄の溜め息は、俺にかな…｣

｢伊織さんにですよ、決まってるじゃないですか。本家は…ラブラブなんですから。
変な意味じゃなく、大好きなんですよ。勿論、私も変わらず大好きですよ？会えないと寂しいのは同じです｣

｢すみれちゃんは…、俺かな？｣

｢え？｣

｢告白の結果は別として…、一緒に仕事出来てるからそれはそれで、良かったのかな？｣

｢あ、私？はい！すっきりとした気持ちで、変わらず好きでいられてますよ？楽しいです｣

｢じゃあ、俺にじゃなくて、英雄にだな。
…やっぱりどこか、好きだと思う人と居るのは嬉しいもんだから。ある意味それもラブでしょ？｣

｢はい。そうですね…、そういう事ですね。でも、伊織さんの事も、大好きなのは嘘じゃないですよ？本当に、会えないと寂しいですから｣

｢そう？…有難う。安心したよ｣

｢え？｣

｢表情がいいから。すみれちゃんが言うように、すっきりした顔してる｣

｢はい。…大丈夫です｣

ピースサインを返された。強がりではないようだ、良くはないけど…良かった。

｢は〜い伊織、お待たせ～」

……何を考えてるのやら。何も考えてないのやら。