好きも嫌いも冷静に
「もっと、こう、攻めてくるタイプかと思ったとか、見かけ倒しとか、言われる。酷いだろ?
ガンガンくるのを期待して言い寄って来るんだろうけど…勝手だよな?そんなの。
思い込みでそんな事言われても、…こっちが困るよ」
「理想を押し付けたがるからな…。思い込みもな。まあ、そういう女性は、そういう女性だよ。見たら何となく解るだろ?」
「…だいたいは、な」
「まあ、あれだ。深入りされない内に諦めさせる事だな。そういうのはたまに厄介なタイプ居るからな。しつこくて。ま、これも偏見かな…」
「英雄は環さんとはずっと、恋愛だけか?」
「…んー、自由なとこがあるからな、あの人は。
決まり通りに落ち着きたくないかも知れない。
それなら、それでもいいんだと、今は思ってる。…俺とじゃなくても、例えば子供が出来たとしても、結婚とか、望まない人なんじゃないかな…。
…まあ、具体的にはまだ解らないな、今は。
気持ちも流動的なもんだから。
とにかく、今は今だな。ただ、好きだという事だ、俺はな。単純に夢中だから」
「やっぱり切ないな、英雄」
「…それでいいんだよ、…それで。環さんに無理に変わって欲しくないし。ま、切ないのが恋だろ?」
「今胸にきた。キュンとするよ…」
「やだ〜、伊織~」
よく解らんが男の色気みたいなのを察知したらオネエが出るのかな、その色気の部分も英雄基準だから、解らないところだな…。
とにかく今は、情熱で充ち溢れているという事は終始解った。