君の優しさに拳銃を突きつける
「……………………」
「おい!黙ってないで言えよ!」
「裕!」
私の目の前まで来て怒鳴った裕君を
後ろから見ていた拓弥さんが止める
拓弥さんは私をあやすように
優しい声で言葉をかける
「蒼空ちゃん…
無理に話せとは言わないよ
ただ君が助けを必要とするなら
僕達はいつだって君を助ける
だから…」
「偽善者」
私は冷たい声でそう告げる
その言葉にそこにいた誰もが
目を見張った
本当はこんなこと言いたくない
悪いのは全部私で
この人たちに非はないんだ
私が弱いから
その弱さを隠すために
もう自分が甘えないように
私の口が罪を犯す
「私みたいな人間みて、
手を差しのべて…助けて……
それで感謝されると思ってるの?
だったら大間違い
感謝なんてしない!
惨めなだけ!
結局は貴方たちが楽になりたいだけでしょ!
貴方たちは自己満足のために
目の前にいる可哀想な人間を助けて
正義を振りかざしてるだけ!
私……助けてなんて言ってない
思ってもない!」