君の優しさに拳銃を突きつける
『………………蒼空。
お前を護れるのはオレだけだよ
あいつらはお前を傷つけた』
『違うよ。羽海ちゃん
私が皆を傷つけたの
苦しいのは私じゃない』
『何言ってんだよ。
オレがでてきたのに信じないのか?
どうしてオレを頼ろうとしない
ならオレは何のためにいるんだよ!』
『羽海ちゃん…』
『時間がないことは分かってるんだろ?
お前が決められないならオレが…』
「蒼空ちゃん」
!?
誰かの声で戻される
強すぎるくらいの力が
私の腕を締め付けて
一向に緩む気配がない
「はる…と君」
痛みの原因は私を追ってきた春斗君
走ってきたのか息を切らしている
少し怒っているようにもみえる表情
「なんで?」
「えっ」
「なんで皆を傷つける前に
消えてくれなかったの?」
少しじゃなかった
春斗君は物凄く怒っている
無理もない
仲間思いの春斗君は
私が皆を傷つけたことを
誰より憎んでいる
「……………………」
「蒼空ちゃんなんか嫌いだよ!
突然現れて皆の中
蒼空ちゃんで一杯にして
……皆 蒼空ちゃんのことばっかで…
嫌いだった
皆に心配されてるのに
それが迷惑みたいな態度とって」
「そんなこと…」
「そんなことあるよ!
さっきだって
皆 蒼空ちゃんが心配だったんだよ!」
私を握る春斗君の手の力が増す
だけど今は痛みなんて感じない
春斗君の目から怒りが向けられる
でも
それだけじゃない
なんだろう
私にはそれが何か分からない