君の優しさに拳銃を突きつける
その声で思い出す
春斗君と戦う男とは別の男がいることを
その声のする方を見ると
男が二人立っている
どっちが話たのかは分からない
「あいつ時間をかけすぎだ
おい。優伊」
「はい」
二人の男を見つめていると
隣の男に声をかけた男と目があう
その瞬間
私の体が固まる
冷たい瞳
この男は危険だと
私の頭に警鐘が鳴り響く
「きゃあ!」
私が固まっている間に
優伊と呼ばれた男に後ろから
動きを拘束される
「蒼空ちゃん!」
私の声に気づいた春斗君が
私の名前を呼ぶ
「おい。お前…それ以上動いたら
今すぐ その女を殺す」
「!?」
冷たい瞳をした男は
春斗君を脅す
その言葉に春斗君の動きもとまる
それを良いように
戦っていた男の拳が春斗君の
みぞおちに入った
「っう゛」
「春斗君!」