君の優しさに拳銃を突きつける
蒼空は知らないのだろうけど
俺達姉弟に血の繋がりはない
俺がそれを知ったのは、つい最近のことだけど
この気持ちに気付いたのは
中学2年のときだった
「付き合ってください!」
毎朝恒例の告白タイムを
いつものように聞き流し
「ごめんね。誰とも付き合うきは無いんだ」
いつものように笑顔を作って
言葉を紡ぐ
目の前の女は俯いて何も言わない
罪悪感なんて思いはなくて
それ以上の言葉はかけるつもりもない
俺は自分で言うのもなんだけど
成績は良いし運動神経だって人並み以上だ
親から受け継いだ血が良かったのか
容姿にも恵まれていた
だから当然好かれる側の人間
そんな日常に飽き始めていた
中学2年の夏