君の優しさに拳銃を突きつける
「湊堵(ミナト)さん。
おかえりなさい」
「ああ。…地下の鍵貸してくれ」
彼を湊堵と呼ぶ男は
彼の指示を聞くと
何処かに走って消えた
地下
確かに彼はそう言った
その言葉に全身が固まったような
感覚に陥る
あそこは…確か
「蒼空様には本日より
雨水の幹部として働いていただきます」
「……………」
「……怖いですか?」
それが心配をしてなのか
呆れてなのかは
分からないけど
使えないって思われるのは嫌
「別に…」
「…………………」
向けられる視線が痛い
疑っているんだろう
実際、地下と聞いて怖じ気づいたのは
嘘じゃない
だからこそ
今 彼と目を合わせることは出来ない
「湊堵さん!持ってきましたよ」
男が戻ってくると
向けられていた視線も
はずされて
緊張がほどけた
「行きますよ」