君の優しさに拳銃を突きつける









私と彼はいつの間にか



ドアの前に立っていた



何処を歩いてきたのか



あまり覚えていないのだ











「この資料に目を通して


おいてください」





渡された資料は


厚さが10センチ近くもあるもの




「これ…」




「はい、情報屋が集めた資料です」





私が言う前に彼が口を開く











資料の始めには



極秘



とだけ書かれている





開いてみると


3人の政治家の名前が載っていて


それぞれの家族構成や


性格、本人でも知らないような


情報が書かれている












「今日の夜


この3人の男を殺すのが


貴方の仕事です」





「………………………」








雨水組は善か悪で言えば善だ



汚いことに手を染めた



権力者や同業者を決して許さない




でも




自分たちの正義のためなら



どんな手でもつかう






それが本当に正しいことなのか



私には分からない










分かるのは




雨水を継ぐということは



自分も今のままではいられない



ということだけ










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