君の優しさに拳銃を突きつける
躊躇いがちに俺の手をとる蒼空
「…………颯君?」
「っあ、ごめんな」
俺を見つめる蒼空に魅入っていたなんていえない
蒼空は俺のことを弟だとしか思っていないのだろう
ましてや俺に自分の想いを
伝える資格なんてない
だから俺は姉ちゃんの弟として
蒼空を守るんだ
「姉ちゃん。ついてきて」
「え…」
俺は蒼空の細い手首を優しく
掴みなおして その手をひいていく
可愛い蒼空
それだけなのに顔を赤くして俯く
出来るだけ蒼空の歩調に合わせているけど
俺の後ろを歩く彼女にとっては
それでも少し早いのか
はや歩きになっている
「颯君…」
「ん?」
「何処に行くの?」
「知りたい?」
「……うん」
たったそれだけの会話なのに
幸せに感じる俺
「俺の家」
「っ!?」