君の優しさに拳銃を突きつける
颯君に連れられて
私たちは今
颯君がお世話になっているという
上月さんのお家にやって来た
「おかえり颯
……………………………………」
扉が開いたかと思えば
中から一人の男の人がでてくる
「「………………………………」」
3人の中にうまれた沈黙
気まずい
突然黙ってしまった目の前の男の人
なぜか颯くんまで黙ってしまう
「……はじめまして。蒼空ちゃん」
颯君に似た優しい声
雰囲気も颯君に似ている
きっと二人の顔とか そういうことではない
似たような優しさを持っているんだろう
「上月拓弥です。
颯とは昔からの知り合いでね
蒼空ちゃんのことは
こいつからよく聞いてたよ」
よく見れば見るほど似ている
でも何か違う
なんだろう
「姉ちゃん?」
「あ、…颯君の姉の雨水蒼空です」
「可愛いね。颯が気になるのも仕方ない」
「おい!」
突然 颯君が大きな声を出したから驚いた
目を見開いて颯君を見つめれば
それに気づいたのか申し訳なさそうに
「悪い」
とだけ言う