君の優しさに拳銃を突きつける
「拓弥。とりあえず中に入るぞ」
颯くんは再び私の手をひいて歩く
建物の中は学生が住んでるとは
思えないほど綺麗で
整理もしっかりとされている
上月さんのお家…
じゃあ。御家族の方は?
考えることは出来ても
実際に口にする勇気はない、
自分の家がそうだったからか
人の家のことを聞くことに
抵抗が出来てしまった
なんとなくだけど
あの人は踏み込んで欲しくないんだと思う
「此処、姉ちゃんの部屋
必要なものは揃ってるだろうから
まあ。なにかあれば言って」
「うん」