君の優しさに拳銃を突きつける
用意された部屋は十分すぎる大きさで
着る服など生活に必要なものは
一式全て揃っている
「颯くん。制服って…」
「ああ。新しいものを用意したよ
もしかして家に取りに行きたいものある?」
「ううん!大丈夫」
どうせ あそこに必要なものなんてない
あっても無くてもいいものばかり
それに
私があると言えば
颯くんは取りに行ってくれるだろう
けど。彼に辛い思いをさせてまで
欲しいと望むものじゃない
「蒼空ちゃん。この部屋は気に入ったかな?」
「…上月さん。
はい。私には勿体無いくらいです」
声をした後ろを振り向くと
あとから来た上月さんが
腕を組んで壁に寄りかかっていた
「はは…拓弥でいいよ
この部屋のものね。僕が用意したんだ」
「そうなんですか?
すみません。ご迷惑おかけして」
颯君だけでなく他の人にも
迷惑をかけていることを知り
申し訳なく思う気持ちから
自然と頭を下げてしまう