君の優しさに拳銃を突きつける
「ねえ。蒼空ちゃん。
僕たちを信じてね」
私の前を歩く拓弥さんは
静かにそう告げる
「たく……み…さん?」
それ以上は言ってはいけない気がして
何も言わない拓弥さんを
ただ うしろから見つめることしかできなかった
この人は
一体何を
抱えているんだろう?
この人の笑顔の裏には
どんな秘密があるのだろう?
知ろうとしてはいけないような何かが
この人をつくっている
だから私はまだ知らなくていい
今はただ
この人を信じよう
颯君と拓弥さんと
これから出逢う人たちを