君の優しさに拳銃を突きつける
昔から颯は
蒼空ちゃんのことばかり話していた
そのせいか
逢ってもいない彼女のことを
自分のなかで作り上げていたのかもしれない
2年前
颯が蒼空ちゃんのことを聞いたとき
助けにいくと言った颯を
俺は止めた
力が不十分だという理由にして
それも確かだ
けど本当は
俺が蒼空ちゃんに逢うのが怖かったんだ
颯から聞く蒼空ちゃんの話は
聞けば聞くほど
俺の大嫌いな
自分に似ていたから