君の優しさに拳銃を突きつける
似ている彼女を見てしまえば
俺は颯が大切にしている
彼女を嫌いになりそうで怖かった
そんなのは
誰も望んではいないだろう
それでも
どんなに俺がそう望んでも
時は止まってくれない
俺の目の前にやって来た彼女は
そこら辺にいる女よりも
背丈が小さくて
今にも壊れてしまいそうなほどに
弱っているのがわかった
実際
俺とは似ていない
確かに本当の俺自身と
被るところはあっても
彼女は俺みたいに曲がった性格じゃない
「……たく…みさん」
俺の名前を小さく呼んだ彼女は
それ以上は何も言わずに黙っている
何かを察したのだろう