君の優しさに拳銃を突きつける
女みたいな顔をした春斗は
蒼空ちゃんの近くにまで寄ってくる
顔と顔が触れてしまいそうなところまで
「はじめまして!
僕は高校1年、木暮春斗
颯ちゃんとは幼馴染みなんだよ
よろしくね!」
いやいやいや
春斗君?かなり近いよ?
蒼空ちゃん驚いてるからね
「春斗。はじめて逢うのに失礼だ
とりあえず彼女から離れろ」
俺が思っていたことをソファに
座っていた零が代弁してくれている
まあ。誰がどう見ても近かったし
蒼空ちゃんなんて驚きすぎて固まってる
男慣れしていない
そんな感じだ
颯から聞いた限りでは
男と戯れてる余裕も無かったんだろうな
「俺は2年の朝霧零」
零は読んでいた本を閉じて
蒼空ちゃんを見つめる
あれ?裕?
あと一人の声が聞こえてこないなと
思っていたら零と同じように
座っていた裕が
蒼空ちゃんをただ見ているだけで
何も言わない