君の優しさに拳銃を突きつける
「裕ちゃん!
裕ちゃんも自己紹介して」
さっきまで俺たちの目の前に
いたのに すでに裕のところまで
移動している春斗が
固まっている裕の肩をたたく
「あっ……ああ
2年、………………風間…裕」
一体どうしたんだ?
裕らしくない
「はじめまして。
雨水蒼空です」
蒼空ちゃんはゆっくりと
自分の名前を告げる
雨水という名前を言った瞬間
少し曇りが生じたのは
気のせいではないだろう
きっと、この部屋にいる
全員が思っただろうから
蒼空ちゃん
此処には君を傷つけるものも
苦しませるものもない
俺たちが君を守るよ