君の優しさに拳銃を突きつける






「はる…」



「春斗。その辺にしとけ」



「んーー。零ちゃんがいうなら仕方ないか」






俺が言おうとしたのと同時に


零が言葉を発した










「姉ちゃん。お腹空いてない?」



颯は蒼空の目線にあわせて優しく問う


こんなにも女に優しい颯を


見るのははじめてだ



「ううん。空いてないよ」



「今日、何か食べたのか?」



姉弟だからなのか


蒼空のことをよく分かっているのだろう


きっと蒼空は今日 何も食べていない


ここにいる全員が今思っているはず


蒼空の体型は他の女に比べると


あまりにも小さすぎる









「…食べてないけど


空いてないよ?」





蒼空にとって普通なのかもしれない


でも俺らにとっては


そんな彼女を見るのは苦だ









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