君の優しさに拳銃を突きつける








「お前さ……あいつのことどう思う?」




裕ちゃんが僕に質問したのは


裕ちゃんのなかに迷いがあるから



だから敢えて


僕は答えを濁らせた






そう


迷えば良い




裕ちゃんが悩んでいるあいだに


みんなの中から


僕があの子の存在を消してしまうから





それまでは悩んでいればいいんだ








「裕ちゃんは、どう思ってるの?


あの子のこと」





本当は裕ちゃんとあの子の間に


何かあることは気づいてるんだ



でも。そんなのは必要ない



僕は皆を守るためなら


それ以外の人も物をどうだっていいんだ
























「駄目だよ。裕ちゃん」





「どういうっ……」







駄目だよ。裕ちゃん



一時的な感情に流されちゃ












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