君の優しさに拳銃を突きつける
春斗の後ろ姿を追う
あいつ…
「何考えてるんだ?」
その声は誰にも届くことはない
久しぶりに見た春斗のあの表情
何が原因でああなっているのかは分からない
ただ。何かを決めたときの表情だった
「零…さん」
「っ……」
俺が春斗に集中してたからか?
蒼空の存在に気づかなかった…
人の気配には誰よりも先に気づくはずなのに
しかも この距離なら尚更だ
なんで
「あの…?」
「…………どうした?」
わからない
気配は消そうとしない限り
気づくものなんだ
特に俺は消した相手でも分かるくらい
長けているはずなのに