君の優しさに拳銃を突きつける
「久しぶり。姉ちゃん」
「そ…うくん?」
私の目の前に現れた彼
自分よりもはるかに大きい背丈
声変わりを過ぎた男性の低い声
街を歩けば誰もが振り返る整った顔
昔と変わらないのは
私に向ける表情が優しいことだけ
「なんで?」
私は戸惑っていることが
ばれないように平静を装う
「えっ?」
「なんで颯君が此処にいるの?」
自分の質問が間違っているとは思わない
彼は此処にはいるはずのない人だから
「それはさ」
彼の迷いのない声が
私に不安を与える