君の優しさに拳銃を突きつける
俺は非道な人間なのかもしれないな
颯の大切な人を
守ってほしいと頭をさげてまで
頼んできた彼女を
俺は今、傷つけようとしている
俺を見つめる瞳に恐怖がうかぶ
「零く…ん、言ってる意味がわからない」
怯えた表情で俺をみる
多分 嘘ではない
なら、あれは無意識か?
それとも…
「…すまなかった
戻ろう」
必要なことだけを伝え
ドアを開ける
「…………………………」
さきに教室を出た俺の後を歩く蒼空
やっぱり嫌われたか?
まあ無理もないけどな
「俺のことが嫌いか?」
「っ!?」
俺の言葉に何度も首をふる彼女
焦る蒼空の姿に口許がゆるむ
「そうか」
「俺も…焦りすぎたな」